「お母さんがもうすぐ来るから、
がんばって!」
って声をかけると、
不思議と心臓がまた動き出すのだと、
看護師さんから教えてもらいました。
22年前の夏、生後1ヶ月で亡くなった息子のお話です。
「もう、間に合わないかもしれないとは思いますが、すぐに病院にきてください」
と呼び出されたことが、
記憶にあるだけで2回あります。
心電図の波形が乱れても、
「もうすぐお母さんがくるよ!」
の一言で、
息を吹きかえすことができるんだ!
身体が小さくて弱すぎて
泣くことさえ出来ない息子でしたが
私が病院に行って声をかけると、
明らかに心電図の波形が
落ち着くのでした。
お医者さんは病気の説明とともに、
1/100万の確率で生まれてきた、
と説明してくれました。
でも、この子は、
この病気の身体以外の人生を生きることはできません。
これが、この子の人生なのです。
どんな人生であっても
それは、この子にとって
1/100万の人生ではなく
100万点満点の人生なのです。
この子は、天使でした。
この子は、
いつも
しあわせそうでした。
お母さんに逢えて、しあわせ。
お母さんに抱っこされて、しあわせ。
身体は、苦しくて呼吸をするだけで精一杯なのに、
魂は、本当にしあわせそうでした。
それは、
この子が
誰と比べることもなく
自分の人生を100%生ききったからです。
もし、この子が
大きくなることができて、
自分の人生を他の人と比べてしまったら
「なんで、自分だけこんなに苦しまなければならないのか?」
と感じたかもしれません。
でも、
人と比べず
自分の人生を100%生きることが
できたなら、
必ずしあわせになれるのだと思いました。
「私のせいで。。。
私が元気な身体に生んであげられなかったから。。。
ごめんね」
私の中に、そんな思いが涙になって溢れてきても、
そんな母の苦しみを押し流すくらいの
圧倒的なしあわせ感でした。
小さな小さな弱い身体ですが、
なんて、強くて、大きな魂なんだろう!
と思いました。
「元気な身体に生んであげられなくて、ごめんなさい」
から
「生まれてきてくれて、ありがとう!」
に、
私の心の中を
ガラッと変えてくれました。
「お母さんは、ぼくにとって
天使なんだよ」
と命をもって語りかけてくれた
この子の命は、
私の天使でした。
みんな、
誰かの天使なのです。
あなたは、
誰かの天使なのです。
100%、自分の人生を
愛して生きることができたら、
一人ひとりは、天使なのです。