私が28年前にはじめて出産し、生まれてきてくれたあかちゃんは、障がいを持っていました。
一生懸命生きて、生後一ヵ月で亡くなりました。
一ヵ月の入院生活の中で、一人の看護婦さんがぽつんと言いました。
「この子は、どんなメッセージを伝えに来てくれたんだろうね?」
その時は、ピンとこなかったけれど、その言葉はなんとなく私の中に残っていました。
もちろん、あかちゃんが言葉を話せるわけもなく
まして、病気の状態が重くて、泣こうとしても、体力がなくて泣き声をあげることさえもできない命。
でも、その命をまるごと使って、伝えたいことがあるとしたら、なんなんだろう?
たったの一ヵ月。
でも、私の人生の分岐点となった一ヵ月間。
その中で、この命に教えてもらったこと。
それは『存在』そのもの自体が
しあわせのもとなのだ、ということ。
『存在』してくれているというだけで
どれほどうれしいことなのか、ということ。
なにかができるとか、できないとか
役に立つとか、立たないとか。
寿命が長いとか、短いとか。
身体が強いとか、弱いとか。
都合がいいとか、悪いとか。
そういうことに関係なく、
「存在そのもので誰もが誰かの天使なのだ」
という強烈な実感、いえ、真実を私に伝えていってくれました。ここが「そもそも、誰もが天使」という確信をもった天使力コーチングの原点です。
それから20年以上の時が経ち、
コーチングを重ねれば重ねるほど、これが真実だと確信が深まっていきました。
一方で
天使な自分は、本当は誰の中にも存在するのに
表現できなければ、いないのと同じこと、ということもまた、事実なのです。
お一人おひとりの心の中にある『天使力』
を言語化して、思い切り表現していただきたいと願っています。
天使力コーチング合同会社 代表
稲垣 由香